猫の温泉・3


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視線を 感じました。


どきん としながら
まゆみさんは ゆっくりゆっくり さびねこの方をむきました。


さびねこと まゆみさんの 目が あいました。


さびねこは まゆみさんを じっと 見つめていました。


その ちいさな瞳に 光がきらきら うつっているのが見えました。



瞳が きらきらだ。



まゆみさんの胸に ふわんと
やわらかい いとおしいものが ひろがりました。



にしん みたい。



お湯であったまった まゆみさんの全身の細胞。

その 一粒一粒が わきたつみたいに
さわさわわーっと 熱にくるまれてゆくようでした。



きらきらー・・・。



言葉にならない想いでいっぱいになって
まゆみさんは 目を閉じました。


171201

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猫の温泉・2


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ふと 湯気のむこうに 気配を感じたような気がしました。

涙をぬぐいながら まゆみさんが そちらに目をむけると
さびねこが ちょぽん と お湯につかっていました。

うそでしょ。

思わず声をだしそうになったのを ぐっとこらえて
まゆみさんは 胸のなかでつぶやきました。

えー・・・ ほんとにー・・・。

・・・。

わー・・・ どうしよう・・・。

・・・。

わー・・・ 動いたらだめだよね・・・。

・・・。

ちょっと・・・ あつくなってきちゃったんだけどな・・・。

ちゃぽん。

と まゆみさんのひたいから ほほへながれた汗が 温泉におちます。

あたりは ますます 暗くなり うっすらと 星が輝きはじめました。



171111



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